希有な才能が出会い、長い時を掛けて作り上げられたのは「時間」にまつわる美しい作品でした。詳細は以下から。
スペインのシュールレアリスム画家として今も世界中で愛されるサルバドール・ダリ。そして説明の必要もないディズニーランドの創始者ウォルト・ディズニー。このふたつのビッグネームがタッグを組んで作り上げたアニメーション作品が存在しています。
時は1945年。ダリはディズニースタジオで名作「ファンタジア」に携わったジョン・ヘンチと共に8ヶ月に渡って「Destino」の制作を行いました。これはギリシャ神話の時の神クロノスと人間の女性ダリアの間の決して報われることのない悲恋を描いた6分間のショートムービーです。
美しい女性ダリアがダリの作品を思わせるシュールなオブジェに満ちた空間で踊り、クロノスとの出会いと求め合いながらも辿り着かない運命(Destinoはスペイン語で運命)が描かれていきます。
第二次世界大戦による痛手のためにディズニーはこの作品を公開することができず、長年お蔵入りとなっていました。しかしウォルトの甥であるロイ・E・ディズニーが2000年に「ファンタジア」の続編の「ファンタジア2000」を作成する際に同作を発掘。
その後パリのディズニースタジオがこの作品を完成にこぎ着けて2003年に公開されることとなりました。基本的には元々のアニメーションを重視していますが、一部にはコンピューターグラフィックスも用いられているということです。動画は以下から。
Walt Disney’s & Salvador Dali – Destino 2003 (HD 1080p) – YouTube
ダリとディズニー、どちらの息吹もしっかりと感じられる極めて美しい作品となっています。58年の歳月を経て世に送り出された時の神の物語、じっくり楽しんでみてください。
Destino, A Gorgeously Surreal Collaborative Animation Between Salvador Dali and Walt Disney