「タトゥーの施術は医師法違反か?」を問う裁判に高裁が逆転無罪を言い渡しました。詳細は以下から。
医師免許がないのに客にタトゥーを施したとして医師法違反の罪に問われ、大阪地裁で罰金15万円の有罪判決を言い渡された彫り師の男性の控訴審判決で、大阪高裁は11月14日、逆転無罪を言い渡しました。
被告となった増田太輝さんは2014年7月から2015年3月の間に医師免許がないのに客3人にタトゥーを施したとして、2015年8月に略式起訴されていましたが、正式裁判を求めて「タトゥーを彫る行為は、病気の治療や予防が目的の医療行為にはあたらない」と主張してきました。
大阪地裁は医師法の定める「医業」を「医師が行わなければ保健衛生上の危害を生ずるおそれがある行為」と判断し、タトゥーを彫る行為は皮膚障害を起こす危険性があり、医学的知識や技能が必要不可欠なため、医療行為に当たると認定。彫り師に医師免許を求めることは、保健衛生上の危害を防止するため合理的だとして有罪を言い渡しました。
これに対し弁護側は控訴審で、タトゥー施術は病気の治療などが目的の医療行為ではないとして改めて無罪を主張。医師免許の取得には長い時間と多額の費用がかかることから、憲法が保障する職業選択の自由や、タトゥー施術を自己表現の芸術活動とする被告の表現の自由を侵害すると訴えていました。