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「人生に、文学を。」キャンペーンが勢い余ってアニメを叩き、大スベりして炎上

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文学至上主義なキャンペーンがなぜかアニメを叩き、結果炎上しています。詳細は以下から。

芥川賞や直木賞の選考と授賞を行っている公益財団法人日本文学振興会の始めた「人生に、文学を。」キャンペーンが謎のアニメ叩きを行い、炎上しています。
問題となっている「人生に、文学を。」は「文芸の向上顕揚を計ることを目的」とする日本文学振興会が「本を読むこと」を振興するためのキャンペーン。それ自体は会として目的に沿ったものであり、趣旨としても何ら問題はありません。
しかし、その煽り文で以下のようにアニメを叩くガチな煽りを行ってしまったのが大きな間違いでした。
文学を知らなければ、
目に見えるものしか見えないじゃないか。
文学を知らなければ、
どうやって人生を想像するのだ(アニメか?)
(人生に、文学を。より引用)
この上なく鼻につく文学至上主義丸出しの極めていやらしい文章です。他人に同意を求める意図で書かれた文章とは到底思えない傲慢不遜さには驚かされます。
文学が好きなのはいいのですが、最後にわざわざ括弧付きで(アニメか?)と付け加える神経は全く理解できません。アニメをこのように貶めなければ文学を持ち上げることすらできないのでしょうか?
この先も同様に傲慢不遜ないやらしい文章が続きます。
読むとは想像することである。
世の不条理。人の弱さ。魂の気高さ。生命の尊さ。男の落魄。女の嘘。
行ったこともない街。過ぎ去った栄光。抱いたこともない希望。
想像しなければ、目に見えるものしか知りようがない。
想像しなければ、自ら思い描く人生しか選びようがない。
そんなの嫌だね。つまらないじゃないか。
繰り返す。人生に、文学を。
(一年に二度、芥川賞と直木賞)
(人生に、文学を。より引用)
そもそも文学とは数ある芸術のひとつのジャンルに過ぎません。フランスでは文学、音楽、絵画、演劇、建築、彫刻、舞踏、映画に加えてマンガが新たに芸術のジャンルに入っていますが、目に見えないものを見て人生を想像するために有効なのが文学のみであると考えるなら、思い上がりも甚だしいと断ずるにいささかの迷いもありません。
このキャンペーンで明確に蔑んでいるのはアニメだけですが、文学だけを特権的な立場に置くのであれば、文学以外の芸術を軒並み貶めている事になります。世の不条理を突く映画があり、生命の尊さを謳う音楽があり、行ったこともない街を描く絵画があることを彼らはまさか知らないのでしょうか?
人生に文学があることは人生を豊かにするかもしれません。しかしこのキャンペーンで文学をごり押しする彼らの想像力の貧しさは、文学が人生に与える豊かさへの説得力を完全に削ぐものとなってしまっています。いったい文学から何を学んだのでしょうか?その辺りを想像することは難しかったのでしょうか?
また、このキャンペーンには全国紙をはじめとする錚々たる大企業が賛同の意を表していますが、むしろ文学や芸術への造詣の浅さを露呈した格好となっています。

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